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寒中見舞いの基本 期間や文例など
年賀状の少し後に届く寒中見舞い、どのような意味があり、どんなマナーがあるのかご存じですか?なんとなく、年賀状の代わりだと認識している人が多い寒中見舞いですが、本来の意味や出し方を知っておくと便利です。知らず知らずのうちに失礼にあたっていた!なんてことのないように、しっかりチェックしておきましょう。
今回は、寒中見舞いの基本やマナー、様々な場合における文例をご紹介します。
目次
寒中見舞いの基本・マナー
寒中見舞いは、暑中見舞いと同じように、季節の挨拶状のひとつです。暑中見舞は暑い時期の体調を気遣うものですが、寒中見舞いはその名のとおり極寒の時期に変わりはないか、体調を気遣う挨拶状です。
また後ほど詳しくご紹介しますが、いくら極寒の時期だからといって、十一月や十二月に出すものではありません。寒中見舞いを出す時期は松が明けた後から節分までとなっていますので、時期に注意が必要です。
近年では、何らかの事情で年賀状を出すことができなかった相手へのあいさつとして送るケースが増えています。特に、喪中の場合は年賀状を出すことを控えますし、相手が喪中と知っている場合は年賀状を出さないのがマナーですね。こうした場合には、寒中見舞いをあいさつに代えることができます。
もし、喪中だと知らずに年賀状をくださったかたがいたり、年賀状をもらったにも関わらずお返事ができなかったりした時には、そのまま放っておくのではなく寒中見舞いでお返しするのがマナーです。
いつからいつまで
日本には二十四節気という季節の表し方があり、これは太陰暦を使用していた時代に、さらに分かりやすく24つの季節に分けて表現したものです。寒中見舞いは、松が明けてから節分までに送るのが基本です。寒中とは小寒(寒さが厳しくなる)から大寒(一年のうちで最も寒い)までの期間のことを指し、一般的には松が明けるとされる一月八日から二月三日の節分までをいいます。
そのため、いくら寒い時期だからといって、十二月や二月三日以降に送るのはふさわしくありません。ちなみに、二月三日を過ぎると立春を迎えるため、寒中見舞いではなく余寒見舞いとして送ることができます。
関西では
大阪や京都など関西地方の一部では、1月15日までを松の内としていることがあります。寒中見舞いを出す先が関西地方である場合は、1月中旬を過ぎてから送るようにすると安心です。
イラストやデザインについて
寒中見舞いのデザインは、冬らしい椿や牡丹、雪や白うさぎなどのイラストを用いるのが一般的です。その他、温色のデザインや晩冬をイメージさせるものも人気です。ただし、喪中で年賀状が送れなかった場合の寒中見舞いは、カジュアルなデザインや派手すぎるイラストのものは避けるべきでしょう。
書き方・文例
寒中見舞いの一般的な構成を見てみましょう。
・あいさつ
・体調などのお伺い
・自分の近況
・相手の無事や健康を祈ることば
・日付
あいさつ文の定番
「寒中お見舞い申し上げます」
「寒中お伺い申し上げます」
目上の人へのあいさつ文は、「お伺い申し上げます」が適切です。
一般的な寒中見舞い
・寒中お見舞い申し上げます
寒い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか
おかげさまで、私たちは風邪などひかず元気でおり感謝する毎日です
もうすぐ春とはいえ、まだまだ寒さが続きそうですのでどうぞお体を大切にお過ごしください
年賀状ももらったのに返事ができていない場合
・寒中お見舞い申し上げます
新春のご祝詞を頂きながらご挨拶が遅れ、誠に申し訳ございません
皆様におかれましては良いお年を迎えられましたこと、心よりお喜び申し上げます
厳寒の折、風邪などお召しになられませんようご自愛ください
本年も宜しくお願い申し上げます
相手が喪中で年賀状を出せなかった場合
・寒中お見舞い申し上げます
ご服喪中のことと、年始のご挨拶は遠慮させていただきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか
昨年は大変にお世話になりありがとうございました
○○様がご逝去なさり、皆様にはお寂しい毎日をお過ごしのこととお察しいたします
厳寒の折、皆様風邪などお召しになられませんようご自愛ください
自身が喪中で年賀状を出せなかった場合
・寒中お見舞い申し上げます
まだまだ寒い時期が続きますが、皆様お変わりございませんでしょうか
(故人続柄)の喪中のため年始のご挨拶を差し控え、失礼いたしました
本年も皆様にとって良い年となりますよう心よりお祈り申し上げます
喪中の人に年賀状を出してしまった場合
・寒中お見舞い申し上げます
このたびはご服喪中と存じ上げず 年始状を差し上げてしまい誠に失礼致しました
御尊父様の逝去を心よりお悔やみ申し上げます
ご日ごとに寒さが募る時期ですので お体を大切にお過ごしください
寒中見舞いをくれた人への返事
・ご丁寧な寒中見舞いを頂き、ありがとうございます
暖冬とはいえ寒い日が続いておりますが、皆様におかれましてはお元気でお過ごしとのこと、なによりとお喜び申し上げます
おかげさまで私たち家族も変わりなく過ごしております
もうすぐ立春を迎えるとはいえ、まだまだ寒さが続くようですので、風邪などお召しになられませんようご自愛ください
立春過ぎたら余寒見舞い
寒中見舞いの時期である、節分を過ぎたら余寒見舞いとして送るのが適切です。暦の上では春ですが、この時期もまだまだ寒さが続きますので、内容としては寒中見舞いと同じで差し支えありません。しかし、時期的にはほどなく春を迎えますので、寒中見舞いの時期に早めに送ることをおすすめします。
余寒見舞いの文例
・余寒お見舞い申し上げます
暦の上では春ですが、まだまだ厳しい寒さが続いております
皆様いかがお過ごしでしょうか
おかげさまで私たち家族は変わりなく元気で過ごしておりますのでご休心ください
年度末につき何かと忙しい時期となりますが、どうぞお健やかにお過ごしくださいますようお願い申し上げます
まとめ
今回は、寒中見舞いのマナーや書き方、様々なシチュエーションに対応する文例をご紹介しました。特に喪中で年賀状を送ることができなかった人や、年賀状をもらったにもかかわらずお返事ができなかった人は寒中見舞いできちんとご挨拶をしたいですね。困ったときには、ぜひご活用くださいね。