インクペディア 句読点を付けない理由は?知っておきたい年賀状マナーまとめ 先日、年賀状の投函期限についてお話ししましたが、今回は年賀状の文章作成時のマナーについてお話したいと思います。意外と知らない年賀状のマナーをまとめましたので、作成前に一緒に予習しておきましょう! 参考記事:2019年の年賀状を元日に届けるには、いつまでに出せばいいの? 目次1 年賀状には句読点はつけません1.1 句読点をつけないのはなぜ?2 忌み言葉に気をつけましょう2.1 ついつい使ってしまいがちな忌み言葉2.2 「猿」も忌み言葉だった?3 年賀状の構成について3.1 年賀状の構成や言葉の表現も気を付けましょう3.2 【年賀状の文章構成】3.3 賀詞の選び方に注意4 重複した言葉にも注意4.1 新年あけましておめでとうございます4.2 一月一日 元旦5 文例集5.1 【目上の方への年賀状文例】5.2 目上の方にはタブーな表現6 書くペンにもマナーがあります6.1 マナー違反となるペンとは…7 書き損じた場合の対処法8 まとめ 年賀状には句読点はつけません 縁起の良い事はずっと続いて欲しい、せっかくのおめでたい事に区切りをつけないという思いから、年賀状では句読点をつけないとされています。年賀状の代わりに寒中見舞いを送る際も、句読点はつけない事がマナーとされています。 他にも慶事の際の挨拶状や証書など、重要な書状となるものにも句読点はつけません。 喪中はがきに対してはこれまでその概念はなかったのですが、重要な挨拶状に句読点はつけないという形式に習い、句読点をつけない事がマナーとなりつつあります。 句読点をつけないのはなぜ? 昔の日本は毛筆文化の為、句読点はもともとありませんでした。明治時代に日本の教育システムが整い、子供たちが平等に理解できるように句読点が使われ始めたとされています。 「句読点は子供の為のもの」という考えが、場合によっては「句読点をつけないと理解できないのでは」という意味にも捉えられる事を懸念し、目上の方への年賀状では句読点をつけないとされています。どうしても文章のリズムをよく見えるようにしたい時は、行間にスペースを入れるなど工夫するとよいでしょう。 忌み言葉に気をつけましょう 句読点のように、普段から使用している言葉でも、祝いの時にはタブーとされている言葉を忌み言葉といいます。結婚式だと「四」が「死」を連想させるのでタブー。受験シーズンになると「滑る」「落ちる」が禁句でしたよね。 一般的に忌み言葉とされている言葉は、別れや死、不幸を連想させるものとなります。 同様に、お正月にも縁起が悪いとされる言葉があります。 ついつい使ってしまいがちな忌み言葉 「去年」…「去」には「別れる」「離れる」の意味があり、離縁を連想させてしまう為、「昨年」「旧年中」などの表現に言い換えましょう。 「猿」も忌み言葉だった? 十二支でもある「猿」は「去る」を連想させる為、「去る」の対義語である「得て」に言い換え、親しみを込めた「公」「吉」を用いた「エテ公」「エテ吉」と表現していたとか。さすがにここまで細かく気にする事はないと思います。 年賀状の構成について 年賀状の構成や言葉の表現も気を付けましょう 句読点以外にも、構成や言葉選びについても注意が必要です。 年賀状作成時の構成に気を付けながら、適切な挨拶文を使い分けましょう。 【年賀状の文章構成】 ① 賀詞(新年を祝う言葉) ② 昨年もお世話になった事への感謝を述べる文章 ③ 本文 ・今年も変わらぬお付き合いをお願いする文章 ・相手やその家族の幸せや健康を願う文章 ・他、自分なりの挨拶文 ④ 新年号と日付(元旦・正月) 賀詞の選び方に注意 賀詞(がし)とは、新年をお祝いする言葉の事です。 「あけましておめでとうございます」という言葉が一般的ですね。賀詞には口語調、漢語調、英文と、いくつかパターンがあります。目上の方への年賀状では、「恭賀新年」「謹賀新年」または、「謹んで新春のお喜びを申し上げます」等、「恭しく(うやうやしく)」「謹んで(つつしんで)」といった相手への敬意を表す言葉が含まれた賀詞を使用しましょう。「賀正」「寿」などの敬意を省略した短い賀詞は、気の置けない知人宛てなどに使用します。 それぞれの構成で適切な文章は以下をご参照ください。 ①賀詞 「謹賀新年」…謹んで新年をお祝い申し上げます 「恭賀新年」…恭しく新年をお祝い申し上げます 「謹賀新春」…謹んで新しい年をお祝い申し上げます 「恭賀新春」…恭しく新しい年をお祝い申し上げます 「敬頌新禧」…恭しく新年の慶びを称え申し上げます 「あけましておめでとうございます」 ②昨年もお世話になった事への感謝を述べる文章 ・昨年はいろいろお世話になり ありがとうございました ・昨年は格別の御厚情を賜り 厚く御礼を申し上げます ・旧年中は格別のご指導ご支援を頂き 誠にありがとうございました ・旧年中はご指導いただき 大変お世話になりました ・旧年中は何かとご指導いただき 厚く御礼申し上げます ③本文 ●今年も変わらぬお付き合いをお願いする文章 ・今年もよろしくお願いします。 ・本年も相変わらぬご指導ご鞭撻を よろしくお願い申し上げます ・今後も変わらぬご指導と、末永いお付き合いをお願い申し上げます ●相手やその家族の幸せや健康を願う文章 ・ご家族の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます ・皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます ・この一年のご健康と ますますのご活躍をお祈り申し上げます ・貴社のますますのご発展を祈念いたします ●他にも、ご無沙汰している事や近況報告など、贈る相手によって内容を充実させてみましょう。例えばご結婚された方の場合「結婚して初めてのお正月を迎えます」といった一文があると、読む側にとって気持ちがほっこりする良い年賀状になるでしょう。ビジネス向けの場合は決意表明なども熱意が伝わり信頼関係が深まりそうですね。 郵便局HPにも、さまざまなシチュエーションの例文があって参考になります。 郵便局HPにも、さまざまなシチュエーションの文例があって参考になります。 参考サイト:年賀状文例集 | ゆうびん.jp https://yu-bin.jp/letters/phrases/ ④新年号や日付 ※平成最後なので、今回の年賀状では是非とも元号表記にしましょう。 「 平成三十一年 元旦 」 もし元旦に届けられない年賀状の場合は、以下のように記載しましょう 「 平成三十一年 正月 」 重複した言葉にも注意 新年あけましておめでとうございます 諸説ありますが「新年」と「あけまして」の意味が重複する・または「新年」はあけるものではないという意見があります。よって「あけましておめでとうございます」「新年おめでとうございます」との言葉で表現する事が無難です。 一月一日 元旦 「元旦」は「一月一日の朝」を意味する為「一月一日 一月一日の朝」と言っている事になります。 どちらも間違えやすい重複言葉ですので、改めて気を付けましょう。 文例集 【目上の方への年賀状文例】 【例文①】上司への年賀状の場合 謹賀新年 旧年中は格別のご指導ご支援を頂き 厚く御礼申し上げます 本年も変わらぬご指導ご鞭撻を よろしくお願い申し上げます 皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます 平成三十一年 元旦 【例文②】上司への年賀状の場合② 謹賀新春 旧年中はご指導賜り ありがとうございました 未熟者ゆえご面倒おかけ致しますが 今年もご指導の程よろしくお願い申し上げます 寒さ厳しい折 風邪など召されませんようご自愛くださいませ 平成三十一年 元旦 【例文③】恩師への年賀状の場合 あけましておめでとうございます 平素の疎遠をお詫び申し上げます 先生やご家族の皆様にはおかわりございませんでしょうか 早いもので 今年は入社して二年目となります 先生の親身なご指導を更に活かせるよう努力する所存です またお会いできる日を楽しみにしています くれぐれもご自愛ください 平成三十一年 元旦 目上の方にはタブーな表現 二文字以下の賀詞は目上の方への年賀状には使用しないよう気を付けましょう。 漢字一文字の賀詞 「寿」…おめでたいこと、祝い 「賀」…祝い 漢字二文字の賀詞 「賀正」…正月を祝う 「迎春」…新年を迎える 「初春」…新年、年の初め など。 上記のような二文字以下の賀詞は、気の置けない知人宛てに使うようにしましよう。 書くペンにもマナーがあります 年賀状のベースのデザインは印刷で、添え書きは手書きと言う人が多数を占めるようです。実は書く時のペンにもマナーがあるのをご存知でしょうか。 太くて力強い字が縁起が良いとされています 毛筆で書かれた年賀状が一番良いとされています。が、なかなか毛筆で書く事って難しいですよね。そんな時は筆ペンが良いのですが、毛筆同様、筆ペンってコツがいるし書き慣れないとイマイチ使いにくい…。最近では描きやすい筆サインペンなど、年賀状に適したペンが沢山販売されてます。自分が描きやすくて、なるべく太い字が書けるペンを選びましょう。万年筆を使うのもおススメです。その次にゲルインクペン、油性ペンの順となるようです。 マナー違反となるペンとは… 弔事用の薄墨のペンはお葬式用ですので、間違えて使用しないように注意しましょう。 ●ボールペンはマナー違反ではない? 人によっては意見が分かれる為、なるべくなら目上の人に送る年賀状では控えるのが無難でしょう。ボールペンは事務的な印象になりがちなので、相手に失礼な印象を与える事になりかねません。 書き損じた場合の対処法 残念ながらどんなに丁寧に書いてもうっかり間違えてしまう事ってありますよね。(私だけ?)年賀状の場合修正液って使っていいのでしょうか。 答えはNO そもそも年賀状というものには「ご縁を結びたい相手へ自分の気持ちをしたためた、一年に一度の贈り物」であると私は思っています。もし自分が修正液で直された年賀状を貰ったら、なんだか蔑ろにされている気分になりますよね。それに、ミスの多い年賀状を見ていると相手を披露させてしまうでしょう。新年から申し訳ない気持ちにさせないように、再度書き直すよう努めましょう。 参考記事:【2019年版】書き損じた年賀状はがきは交換できるの?いつまで交換できる?その他の活用法も紹介 まとめ 年賀状のマナーで注意する事 ・句読点は忌み言葉の為使用しない ・使いがちな「去年」は「昨年」「旧年」と表現する ・賀詞にはマナーがあり、目上の方へは四文字熟語等、敬意を含む表現が望ましい ・重複した表現に気を付ける ・二文字以下の賀詞は親しい知人に使用すると良い ・書く時のペンにもマナーがある ・書き損じた年賀状は新しい年賀はがきで書き直す となります。 昔から何気なく書いていた年賀状。結構マナーが沢山あって、一年に一度だからつい忘れがちになりそうです。あなたの年賀状作成のヒントとなり、素敵な年賀状作りのお手伝いが出来たのなら幸いです。 散々マナーについてお話ししたのに矛盾した事を言いますが、例え間違っていても、ひとこと添えてある年賀状の一所懸命さを思うと、私はなんだか愛おしく感じます。長くなりましたが、あなたの素敵な年賀状作りのお手伝いが出来たのなら幸いです。どれだけ時代が巡っても、年賀状ってなんだか懐かしくて、ちょうどよく寂しい。懐かしい人からの便りが届くお正月は、ちょっとだけセンチメンタルな気持ちになります。 <2018年年末版>年賀状印刷におすすめのプリンターは? KAM(カメ)互換インクが発売!エプソンEP-881シリーズに対応