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重合トナーと粉砕トナーの違いって何?【トナーカートリッジ】
こんにちは!レーザープリンターマニアのmodel-Tです。
今日はトナーパウダーのお話をしたいと思います。
トナーパウダーって、「粉砕トナー」と「重合トナー」の2種類があるの、知っていましたか?
粉砕トナー : 粉砕法トナー 物理トナー とも言います。
重合トナー : 重合法トナー ケミカルトナー とも言います。
この2種類のトナーパウダーの製造方法や、それぞれの特徴を解説しますよ!
粉砕トナーの製造について
粉砕トナーとはプラスチック樹脂の塊を冷やして固めたものを「壁」に当て、砕かれた細かい破片をさらに繰り返し「壁」に当て、最終的にパウダーになったものを言います。
そのため、粒子の形状がどうしても異なり、大きさや形状に必ずバラツキがでます。
この粉砕トナー、「過去の技術」と侮ってはいけません。純正メーカーの多くは重合法トナーを採用、移行しておりますが、現在でも、もちろん現役で採用している純正メーカーもあります。
一方で3rdパーティー業者(リサイクルトナーメーカー、互換トナーメーカー)が使うトナーも粉砕トナーが重宝されます。
理由としては非常にシンプルな製法のため、「応用」が効いて「汎用性」も高いのが1つ。
さらにその汎用性の高さから、粒子形状を球形化して「なんちゃって重合トナー」というものもあります。
重合トナーの製造について
懸濁重合法 乳化重合凝集法 溶解懸濁法 ・・・・・。
はっきり言ってなんのことやら・・・。ですよね。
簡単に製造方法を説明すれば、
トナー原料となる物質「樹脂」「着色剤」「重合剤」「ワックス」「ポリマー」を溶剤や水を入れて溶かした上、熱を加えて攪拌すると、水と溶剤は蒸発し最終的にはトナーとなる「混合物」が残ります。
攪拌を加えているので形状は球形となります。
もっとイメージをわかりやすくすると、「金平糖」です。粒の一つ一つにトンガリはありますが、金平糖の形状はすべてほぼ同じです。
作り方も窯に「砂糖水」を少しずつ入れていき、窯を回転(攪拌)することによって小さな粒ができ、それを繰り返すことによってあの星形の同じ形状が見事にできあがります。
粉砕法トナーと重合法トナーの違いと印刷時の特徴
まず、「重合トナー」が優秀で「粉砕トナー」がそれに劣っているというのは違います。
プリンタやコピー機から作っている純正メーカーの重合トナーはそのハードの特性から研究に入るので「画質」「細線」の表現性、特にデジタル化が進んでいる昨今ではその表現性が大いに求められ活かされています。
特にカラー機に関して言えばほとんどが、この重合法トナーを各純正メーカーでは採用しています。
一方で3rdパーティーではどうでしょうか?
3rdパーティーはハードから作ることはありません。また、全く同じものを採用するというのも特許の関係もありそういう訳にも行きません。
最初にもご案内した通りで、長年の研究とシンプルな作りは幅広い応用活用が可能です。
それゆえに、純正メーカーのトナーの表現の再現性とは行かなくても質の良い「粉砕トナー」を使うことによりそれに近い印刷品質を可能にしています。
一方で最近では省エネ化がプリンタや複合機でも進んでいます。
例えば、最終的に印刷用紙が「熱圧着」されるときの温度も以前のものに比べて100℃ほど低いところで定着されます。
ハードが低温定着の設計になってきているのでトナーもそれにあわせたものが必要になり、
ハードとトナーの関係から低温定着トナーが必須となってきます。
そういった点で対応するには3rdパーティーもそれに適応した「重合法トナー」を選択する必要があります。
プリンタや複合機が進化する中、安定してお安くユーザー様がお買い求めいただけるために、インクのチップスではプリンタの特性をよく理解した上、トナーの選別を再生トナー工場などの3rdパーティー工場と時には「トナー開発工場」また、そのトナーに合うドラムユニット製造工場と橋渡しや話し合いを通して最良の商品を提供していきます。