インクペディア 「純正品」「汎用品」「再生品」「互換品」の違いとは?業界人が語る!トナーカートリッジ選びのポイント こんにちは!インクのチップスです。 「インクの」チップスですが、今日はトナーカートリッジのディープなお話です。 ひとつ数万円というお値段も珍しくないトナーカートリッジ。賢くお得に選ぶためには、「純正」「汎用」「再生」「互換」という言葉の意味を理解しておく必要があります。 インクのチップスがどこよりも分かりやすくご説明いたします! 目次1 1.純正品とは2 2.海外純正品とは3 3.汎用品とは4 4.再生品(リサイクル品)とは5 5.メーカー再生品とは6 6.互換品とは7 7.まとめ 1.純正品とは まず最初に、キヤノンの人気機種、トナーカートリッジ533H(CRG-533H)をモデルにしましょう! CRG-533Hの場合、プリンターはキヤノン製です。 この「プリンターを作ったメーカーが正規の消耗品として販売しているトナーカートリッジ」が純正品となります。分かりやすいですよね。 純正品は商品の不具合は非常に少なく、万が一、何か不具合があってもメーカーのサポートをフルに受けることができます。印刷の仕上がりもきれいです! お値段は、定価の20~35%OFFがだいたい「相場」です。CRG-533Hの場合、3万円から3万5千円の間で販売されていることが多いようです。 純正のトナーカートリッジは高価ですが、絶対にトラブルを起こしたくない、印刷もキレイに出したい、という場合は、迷わず純正品をおすすめいたします。 2.海外純正品とは キヤノンやゼロックスといったメーカーのプリンターは、世界中で愛用されています。 CRG-533Hと同じ形のトナーカートリッジも、「CRG-333H」という型番で海外でも販売されています。 物価の違い、あるいは為替の関係で「CRG-333H」が安く手に入る国から逆輸入したもの、これが「海外純正品」です。 もともとはキヤノンが製造したものなので、品質は問題ありません。 また、万が一何かトラブルがあった場合も、「だいたいの場合は」メーカーのサービスマンも対応してくれます。 ただ、メーカーによっては「国内正規品ではないので、プリンター保証期間内でも修理代金が発生します」という対応になることもあります。 メーカーさんの言い分としては、確かに「グローバルで言うなら自社の製品」ではあるものの、日本の100V、海外の200Vといった環境の違いがあるので、日本で使うなら日本向けに作ったトナーカートリッジを使ってほしい、ということだそうです。 お値段は、概ね定価の40%OFFくらいで販売されていることが多いようです。 国内向けの「純正品」に比べると少しお得で、品質も悪いものではありませんが、もしかしたら、メーカーのサポートは受けられないかも知れません。 3.汎用品とは トナーカートリッジでは、「汎用品」という言葉は要注意です。 もともとは「ほぼ純正品」という意味で使用されていましたが、近年は、純正品には程遠い品質の互換品も「汎用品」と名付けて販売する業者が多くなっています。 では、もともとの「汎用品」トナーカートリッジとは何か、解説いたします。 ちょっと、キヤノンのCRG-533Hからは離れます・・・ まず、この二つのプリンターをご覧ください。 プリンターの上部のプラスチックの色が違うだけで、同じに見えませんか? ・・・実は、同じものなのです。 クルマに詳しい方でしたら、トヨタの「86」とスバルの「BRZ」と同じ関係、と言えば分かりやすいでしょうか。いわゆるOEMです。 左は、NECの「PR-L5800C」というプリンター。 右は、ゼロックスの「CP210dw」というプリンター。 どちらが「本家」かと言うと、ゼロックスです。 レーザープリンターの業界ではこういったOEMは珍しいことではありません。 (OEM、とはOriginal Equipment Manufacturingの略で、他社ブランドの製品を製造する、という意味で広く使われています) 上のプリンターの場合、機械の開発・製造を行ったのはゼロックス。そこから供給を受けて販売しているのがNEC。「エンジン供給メーカー」と「販売メーカー」という言い方もします。 ちょっとだけ色が違うプリンターが、3つの会社から発売されている、なんていうこともあります。 さて、プリンター本体が同じ、ということは、消耗品も同じということになります。 左がNECのトナーカートリッジ、右がゼロックスのトナーカートリッジです。 形状や中身は全く同じで、ICチップだけが異なります。 先ほどの海外純正品と同じように、物価や為替の都合で、どちらかのメーカーのトナーカートリッジが海外で安く手に入ることがあります。 こういった事情を熟知している業者は、箱を無地の箱に変え、ICチップを日本のプリンターに適用できる非純正品に差し替えます。また、カートリッジに貼られている商品ラベルも外します。 海外調達以外にも、日本国内で「箱破損品」や「不良在庫」といったものを安く買い取り、別途入手した非純正品のICチップを取り付けて、別のメーカーのトナーカートリッジにしてしまうこともあります。 こういった「複数のメーカーで使える可能性のあるトナーカートリッジ」を、業界では以前から「汎用品」と呼んでいます。 ICチップは純正メーカーのものではありませんが、本体はメーカー純正品と同じ品質です。「汎用品」という言葉は、「もともとはメーカー純正品として販売されるために作られたトナーですよ」という意味で使われていました。 こういった「もともと純正品だった汎用品」は海外純正品に準じた価格で取引されています。 が、ご使用にあたっては、「メーカーのサポートは受けられない」と思ってください。 中身が純正品とはいえ、ICチップは非純正品ですし、ラベルも貼られていません。プリンターのメーカーに言わせれば「出所のわからないノーブランド品」になります。 何かトラブルがあった場合には、メーカーではなく、汎用品を販売した店舗に連絡を入れて相談と対応をいただくのが最善です。 また、特に顔の見えないネット通販では、近年、純正品とは縁もゆかりもない「互換品」を「汎用品」と称して販売している店舗が多く存在します。 業界で言うところの「汎用品」とは「もともと純正品だった」という意味なのですが、その定義が法律で決まっているわけでもないので、「純正品ではないから、汎用品」と解釈して品質の悪い互換品を販売していることも多いようです。 「汎用品」という表記があったら、どちらの「汎用品」なのかよく確認いただき、不明な場合は避けていただいた方がいいかと思います。ご注意ください。 4.再生品(リサイクル品)とは 家庭用洗剤の「詰め替え」って、昔はありませんでしたが、今は普通ですよね。しっかりしたボトルを、使い終わるたびに捨ててしまうのはもったいないし、環境にも良くないですから、みなさん「詰め替え」を使われます。 トナーカートリッジも、「一度使っただけで捨ててしまうのはもったいない」「中身を詰め替えれば何回か使えるのでは」ということで、「再生トナー(リサイクルトナー)」が作られています。 「再生トナー」の材料となるのは、使用済みの「純正品」です。 先ほどご説明した、「海外純正品」「汎用品」も、もともとは純正品ですから再生トナーの材料になります。 「再生トナー」は、主に、「再生トナーを作る」ことを専業としている会社が作っています。純正メーカーとは全く関係ない会社が、使用済みのトナーカートリッジをいろいろな方法で回収し、また使えるようにして販売しています。 日本国内にも「再生トナーを作る会社」は数多くございますが、その品質はピンキリです。 「え、中身を詰め替えるだけなのに差が出るの?」と思われそうですが、 ・その「中身(トナーパウダー)」の品質がピンキリ ・交換しなければいけない消耗パーツの品質もピンキリ ・分解、清掃、組み立ての職人さんの腕もピンキリ ・製造後の検品の丁寧さもピンキリ ということで、品質に大きな差が出てきます。 日本国内の大手再生トナーメーカーは、しっかりとした生産やサポートの体制を組み上げ、 ・環境マネジメントシステムISO14001 ・品質マネジメントシステムISO9001 ・STMC 世界最高品質基準 などさまざまな認証を取得している工場も多数あります。 「再生トナー」を含めた「非純正品」を扱っている業者を「サードパーティー」とも呼びますが、この業界は本当に玉石混淆です。 お値段は、純正品に比べるとかなりお手頃。定価の1/4くらい、中には純正品の1/10以下の値段で販売されているものもあります。 冒頭、例に挙げたキヤノンのトナーカートリッジ、CRG-533Hの再生品の場合、一番高くても2万円、国内の大手のもので5,000円~1万円、といった具合です。 ただ、先ほども申し上げたように、品質はピンキリですので、信頼できる業者さんを選ばないとがっかりすることにもなりかねません。 また、「プリンターの製造メーカーとは無関係な業者」が手掛けたものですので、プリンターのメーカーさんから見ると「社外品」になります。何か不具合が起きても、プリンターのメーカーのサポートは必ず有償になります。 「おかしいな」と思ったら、再生トナーを購入された店舗に連絡し、交換等の対応を依頼するのが一番スムーズです。連絡先が「メールのみ」といった店舗は対応が遅い場合もありますので、お店選びのひとつの目安になるかもしれません。 5.メーカー再生品とは CRG-533Hの場合、純正メーカーはキヤノンです。 使用済みのCRG-533Hをキヤノンが回収し、キヤノンが再生したトナーカートリッジ、というものも世の中には存在します。 こういったトナーは「純正再生品」あるいは「純正リサイクル品」と呼ばれ、新品の純正品とは少し違う型番を付けられます。 一般に流通することはあまりないのですが、お値段は定価の半額程度と、大変お買い得。もちろん、何かトラブルがあった場合もメーカーのサポートが受けられます。 再生品なので、機能に影響しない部分にキズがあるかもしれませんが、もし入手できるルートがあるようでしたら、おすすめです。 6.互換品とは 「純正品」は、プリンターのメーカーが作ったトナーカートリッジ。 「海外純正品」「汎用品」は、もともとは純正品だったトナーカートリッジ。 「再生品」は、メーカーと無関係な業者さんがリサイクルしたトナーカートリッジ。 ここまで、何らかの形で「純正品」と関係があるトナーカートリッジをご紹介いたしました。 が、純正品と全く無関係に、ゼロから作られたトナーカートリッジもございます。 「互換品」「互換トナー」と呼ばれるものです。 これは主に中国などの海外で製造されているもので、トナーカートリッジの本体も、中身のトナーパウダーも、ICチップも、全て純正メーカーとは関係のない会社(サードパーティー)で製造されています。 「そんなこと、やっちゃっていいの?」という疑問と、「それ、本当に使えるの?」という疑問があるかと思います。 作っていいか、という点で言うと、純正メーカーが保有する特許などの知的財産権を侵害しなければ、特に問題はありません。 例えば、乾電池っていろいろなメーカーさんが作っていますよね。 パナソニック製のラジオに、パナソニック以外の乾電池を入れても、普通に使えます。 あるいは、車のタイヤ(ホイール)を、自動車メーカーのものではない、別の会社のかっこいいものに交換する、ということもありますよね。中古車だと、「社外アルミ」というのがセールスポイントになったりもします。 イメージとしてはこれと同じで、キヤノンの「CRG-533H」と同じように使えるものを、キヤノンとは全く無関係の会社が作っています。 さらに、純正メーカーの特許を回避するだけでなく、自ら特許を取得してしまっている互換トナーメーカーもいるくらいで、技術力はあなどれません。 品質はどうか、という点では、正直なところ、再生トナーと同様に、ピンキリです。 業界団体などがあるわけでもなく、我々業界人が見てもびっくりするくらい品質が悪いものがたくさん流通しています。 ただし、これも再生トナーと同様に、しっかりとした品質のものを作っているメーカーもございます。 中国の互換トナーメーカーの中にも、 ・環境マネジメントシステムISO14001 ・品質マネジメントシステムISO9001 ・STMC 世界最高品質基準 といった認証を取得している工場がいくつかあります。 ヨーロッパ向けに製品を出荷している互換トナーメーカーは、ECが設定している「世界一厳しい」と言われる環境基準もクリアしています。 お値段はさまざまな選択肢の中ではもっとも安く、上記の世界品質基準をクリアしたものが、純正品の1/10ほどの価格で販売されています。 ちなみに、インクのチップスが販売するCRG-533H互換トナーカートリッジはこちら! CRG-533H互換トナーカートリッジ 世界の品質基準をクリアしているだけではなく、なんとトナーパウダーは日本製!インクのチップスのオリジナル商品です。 当社の提携工場は、世界でも最大手の互換トナーメーカーのひとつです。 ヨーロッパ、北米はもちろん、インドやロシア、南米など世界中に互換トナーを出荷しています。ECの環境基準もクリアしていますよ! ある統計によると、互換トナーカートリッジの生産本数は世界で1か月に500万本だそうです。日本の再生トナーの生産本数の13倍です。世界基準で見ると、互換トナーのユーザーはかなり多いようですね。 互換トナーは、再生トナーと違い、部材を全てゼロから作ります。 再生トナーは「使用済みのカートリッジ」を回収し、状態の良し悪しを選別しなければいけないのに対し、互換トナーは安定して生産できますし、部材の品質にバラつきがありません。そのため、お値段も安定していますし、ちゃんとした工場が作ったものであれば、品質も安定しています。 この「互換トナー」の部材は、実は「部材」の状態でも日本に輸入されています。 誰が使うのかと言うと、「再生トナーを作っている会社」です。 再生トナーは、先述の通り、「中身を詰め替えるだけ」では使えるようになりません(詰め替えているだけ、の業者もいますが)。 交換が必要なパーツも数多くあり、この材料として、「中国で作られた互換トナー用の部材」が使用されることも多いのです。 中国の互換トナーメーカーが生産する数量はとにかく多いので、部材も「良いもの」が大量生産されて「安く」手に入ることも多いようです。 この「良い部材」が、日本の再生トナーの品質の向上にも一役買っているのですね。 さて、このリーズナブルな互換トナーは、当然ですが、プリンターのメーカーさんにとっては「全くサポートする義理のない消耗品」になります。「互換トナーを使っている」と言うと、互換トナーとは関係ない部分の故障も保証対象にならないことが大半です。 もし何か不具合があった場合は、互換トナーを購入した販売店に連絡を入れて、サポートを受けてください。 ちなみに、インクのチップスでは、フリーダイヤルの他、メールでもお問い合わせを受け付けています。「何か変だな」と思ったら、ご遠慮なくご連絡ください!ご購入から1年以内でしたら、必ず何らかの対応をさせていただきます。 7.まとめ いかがでしたでしょうか。「わかりやすく」と言っても、もともとマニアックな業界ですので、難しかったですよね。 最後に、簡単に特徴をまとめておきます。 製造元 品質 メーカー 保証 特徴 純正品 プリンターメーカー ◎ あり 高価だけど間違いなし! 海外純正品 プリンターメーカー (ただし海外向け) ◎ △ 少し安いけど保証対象外になることも 汎用品 プリンターメーカー ◎ なし 品質はいいけどメーカー保証はナシ サードパーティー △~× なし 「互換」を「汎用」と言っている時点で 信用しない方が・・・ 再生品 サードパーティー ○~× なし 信頼できる業者さんから買いましょう メーカー 再生品 プリンターメーカー ◎ あり 手に入ればラッキー! 互換品 サードパーティー ○~× なし 信頼できる業者さんが見つかれば 一番お得! インクのチップスでは、お電話・メールにて、ご購入前のご相談も承っています。 「純正がいいか、互換を買おうか迷っている」「これからプリンターを購入する予定があるけど、保証期間が切れたら互換品を使ってコストダウンしたい。おすすめのプリンターは?」といった、ご注文以外のお問い合わせも大歓迎です。 最後までお読みいただき、ありがとうございました! 今後もインクのチップスをよろしくお願いいたします。 インクのチップスは、互換インクカートリッジ・互換トナーカートリッジの専門店です。純正品に比べ最大90%OFFでご提供しております。平日15時までのご注文で当日配送。印刷コストの削減に是非ご活用ください。 インク・トナーを探す トナーカートリッジをバラバラに解体してみた Vol.1 【 HP ヒューレットパッカード 】2020年モデル新型プリンター発表!HP ENVY 6020 / HP ENVY Pro 6420 気になるデザインや仕様は?